2014年3月20日木曜日

にのさん風サバイバルなときのごはん(2)冷蔵庫などにあるものと野菜のスープ

ここのところ、春の気候だったのに、今日はまた寒いです。

3.11のときも、先日の豪雪の時も、とても寒かったので、電気の供給が切れても、食料があまり傷まなかったと思いますが、これが違う気候のときだと、もう、即日、というか、数時間後には、冷蔵庫の中のものが腐敗を初めてしまうのではないかと思います。

そんなときの対応の仕方としては、とりあえず新聞紙でくるむとか、保冷箱などに入れるとかあると思いますが、 復旧が遅れてそれでも無理になってきたら、いっそ、火を通してしまう、というのがよろしいかと思われます。

それで、これでなにを作る、という枠があまりにはっきりしていると、逆に、あれが足りない、これが足りないということになってしまうのですが、漠然と「スープ」であれば、肉があれば肉で、魚があれば魚でだしをとり、それがなければ野菜だけでも十分においしくできますし、乾物を入れてもよし、なにかあればあったで、なければないなりに、何をいれてもいいのです。

そして、スープのいいところは、調理技術がなくても差し支えがない、というところです。


例えば、災害時などに炊き出しをしなければいけないなどの際に、包丁を触ったことすらない人だけが集まって調理をしようという話になったとしても(刃物に慣れていない人には、包丁のどちらが背かすら知らない場合があるので、ほんとに要注意です)、スープであれば、ほぼ問題なくできるはずです。

スープの具は、あらかじめ切ってから調理しようとすると、野菜の皮をむかなければならないとか、それをまた小さく切らないといけないとか、そしてまた、その野菜が根菜だったりすると、固いので慣れないと力任せに切ろうとして怪我をしやすいですし、子どもなどには危なっかしくてなかなか任せられませんが、調理技術(カットする技術)がなければ、まず、まるごと火を通してしまえばいいわけです。

つまり、手元にある野菜などを、まるごとすべて大なべに張った水にどぼんと入れて、火をつけて、ある程度、やわらかくなるまで煮てしまう。そうすると、お豆腐を切る、というところまでやわらかくはないものの、野菜が柔らかくなって、無理なく切れるようになりますし、切るのがめんどくさかったら、そのまま、お箸でほぐして食べてもいいのです。お肉も、火を通したほうが断然、切りやすいです。なお、包丁のかわりにハサミも使えます。

野菜の皮はむけるならむいてもいいですが、べつにむかなくてもまるごとでいいと思います。水がたくさんあればきれいに洗い、水があまりなければ、おしぼりをつくってきれいにふいて、じゃっかん、汚れているくらいは、火を通すこともあり、まあ、非常時の数日間くらい、なんということはないのではないでしょうか。

沸騰するまでは強火にし、煮立ったらすぐに火を弱くします。肉を入れているとあくがでてきますので、それはすくったほうがいいのですが、料理人には「あくも味のうち」という人もいますので、なにしろ非常時のこと、べつに売るわけではないわけですし、あくのすくい方がわからなければ、そのまま散らしてしまえばいいと思います。少し、見た目が悪くなるくらいです。

あとは、好きなやわらかさまで弱火で煮るだけです。燃料が少なかったら、その後、煮続けないで毛布などにくるんで余熱で火を通します。味付けは、塩だけでも十分いけます。コショウがあればなお豪華。肉のくさみを消すのは、にんにくと生姜。あとはネギ・玉ねぎ。あればラッキー、なければあきらめます。醤油を入れてもいいし、味噌でも。ちょっとだけかくし味に砂糖を入れると、味がマイルドになると思います。酢、レモンなども合います。


熱い時期なら、 朝晩一回ずつ火を通して、冷めてから鍋ごと水に浸しておくとか、あるいはもっと頻繁に火を通せば、腐敗しないで、数日はいけると思います。次の日にはまた少し水を足して、食材がなにかあれば、そこに足して煮ていきます。スープは、腐敗すると、濁って表面に膜がはったようになり、試しに食べると酸っぱいのですぐにわかります。(その場合はもちろん、もう食べられませんが、食べられないものが食べられないと誰にでもすぐに識別できることは重要だと思います。)

つくってすぐに食べきらず、もたせる場合は、定期的な火入れと冷却に加え、必ず食べる前に火を通す必要があります。 その際、沸騰した後に強火でぐらぐらやりすぎるとスープが濁ります。もちろん、濁っても食べられます。

ごはんや麺などの炭水化物があれば、一緒に食べれば満腹感がえられます。小麦粉があれば、水で練ってお湯に落とせばすいとんができます。それがなければ、スープだけでも、数日くらいなら空腹をずいぶんと紛らわしてくれると思います。

そして、スープが非常食としてとてもいい点は、上記のように、調理技術なしでできるということもあるのですが、なによりも、その場にある材料を、水さえあれば、何人ででも分けられるという点だと思います。

つまり、ジャガイ モ一個を100人で分ける方法はなにかと訊かれたら、それはもう、スープにするのが一番いいと思います。

ようは水増しです。

人数が多ければ多いほど、それ は限りなく白湯(または味がついていれば塩水)に近づいていくわけですが、分配できる、というのは、非常時にはとても大切なことだと思います。

誰かだけ ジャガイモをひとつ食べて満腹になるより、10人でうすいスープを分け合ったほうが、きっと生存率は高まるはずだと、私は信じています。



* 『にのさん風サバイバルなときのごはん』は、ふだんはお店では販売しておりません m(_ _)m



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